卒業論文

2016年度卒業研究論文

ストレスコーピング尺度の3要因と対応の実態

中学生の地震に対する意識とストレスコーピングについて~災害時におけるストレス軽減のための提案~

中川奈緒子

中学生は災害に対する意識が低く、災害に直面した場合、心理的影響が大きくなることが問題視されている。 そこには災害をわがこととして捉えているかによって左右される。そこで、わがこと感を持たせ、災害が起こった場合に行動のパッケージ化をする必要がある。 また、平時のストレス発散方法については、友人と連絡を取ることが挙げられるが、災害時ではこの方法をとることが難しいため、災害時でも利用できるような対処方法を普段の生活から見つけておく必要がある。 常生活の中にあるストレッサーに対して空想から小さな現実逃避をして対応することで、災害時のストレッサーにも対応できることが可能である。

「よりよい洪水ハザードマップ」にするための提案

よりよい洪水ハザードマップにするための提案

野村新平

国土交通省の洪水ハザードマップの手引きから、記載すべき項目が市町村の洪水ハザードマップにどれだけ記載されているかという現状を解明するため、データセットを作成した。 これにより、手引きの内容は反映されていないことが分かった。ゆえに、項目ごとの適切な表現方法・表示例の考察を行った。また、現状の洪水ハザードマップをより良くするための国土交通省と地方自治体ができることを提案した。

高校の防災訓練の単元構想図

高校生のより良い防災訓練のあり方について

松本由里

全国の教育委員会のホームページを調べ、各都道府県が作成している防災教育事例集などから103件の高校の防災訓練を収集し、これらの高校の防災訓練をもとにデータセットを作成した。 そして研究結果をもとに、わがこと意識の向上に強く影響する「事例を知る訓練」をはじめに行い、次に、より災害時をイメージして防災訓練に取り組んでもらうために、災害発生から時系列に沿って「地震から身を守る訓練」、「地震から身を守った後の訓練」「高校の特色に合わせた訓練」の順で行うことが効果的であると考え、これをもとに高校の防災訓練の単元構想図を作成した。

兵庫県立大学学生のリスク認知図

様々な危機に対するリスク認知の調査~大学生を対象にして~

湯藤俊明

私たちの身の周りにはさまざまな危機が存在する。本研究は大学生を対象として、危機を相対的にどう位置づけて認知しているかの実態を解明するものである。 図1はアンケート調査の結果を示したもので、第一事象は「未知であり恐ろしい危機」第二事象は「未知であるが恐ろしくない」第三事象は「既知であり恐ろしくない危機」第四事象は「既知であるが恐ろしい危機」を示す。 これを見ると、自然災害のうち「台風・豪雨」のみが第三事象に属しているが、土砂災害の原因となるのに「恐ろしくない」と感じるのは危険である。危機管理教育ではこのように特定のハザードに偏るのではなく、総合的な学びをしていくべきである。