卒業論文

2021年度卒業研究論文

学習目標の達成度

高校生の「わがこと意識」を高める防災訓練の提案

合川和希

近年の災害がもたらした教訓として、自助・共助の大切さや事前の防災訓練の重要性などが挙げられるが、学校における防災訓練にはいくつかの課題がある。そこで、高校生の災害に対する「わがこと意識」を高める防災訓練の提案を行った。その結果、設定した21の学習目標全てが有意に向上し、学習目標は達成された。また、抽象的であった自然災害のイメージが訓練を通して具体的になり、災害に対するわがこと意識が育まれたこともわかった。

学習目標の達成度

災害時の「正常性バイアス」に 打ち克つための教育プログラム開発

喜島綾友里

正常性バイアスやバイアスの理解に加えて、行動のパッケージ化の必要性や実践の普及を図るプログラムの開発を行った。本プログラムでは、PPT、授業用ワークシート、動画、学習目標の達成を確認するための事前・事後アンケートを開発し、授業で実施した。その結果、災害時の正常性バイアスに打ち克つための能力を高めることが出来ることが分かった。

ナッジ効果を用いたアンケート調査

大学生を対象とした地震時の安全行動を促進するナッジの検証

橋本賢太

地震時はバイアスにより、適切な行動をとれない人も多い。そこで、呼びかけ方の工夫で地震時の適切な安全確保行動を促進できると考え、安全確保行動を促進するナッジ効果の検証と、防災意識の調査を行った。大学生を対象に行ったアンケート調査から、大学生の防災意識の向上と、ナッジを用いた音声は、今後の地震による犠牲者を防ぐことができると結論付けた。

開発したプログラムを実際に試している所です。楽しみながら行っています!

学習目標の観点による防災運動会の体系化と実践

平佳織

防災訓練と運動会を組み合わせた防災運動会の体系化とその教育効果を明らかにすることを目的とし、ADDIEモデルを採用したプログラム開発を行った。大学1回生に実施した結果、防災運動会を通して学習目標の達成が見られた。今後、競技種目の追加・変更や各年代に合わせたルール作りなどをすることでより幅広い年代に向けた防災運動会の実施が可能になると考えられる。

「生活」と関連する語の共起ネットワーク

災害時におけるバス運行の実態分析~西日本豪雨の事例から~

森本千代

大規模災害時の移動手段としてバスが挙げられる。そこで、西日本豪雨発生時のバスの対応について、役割と課題について明らかにした。KH Coderを用いて新聞記事のテキスト分析を行った。この結果、災害時のバスには被災者の生活維持、被災地の復興、被災者の心情の変化、人のつながりの創出の4つの役割があることが明らかとなった。また、課題として、運賃、所要時間、定時性があることが分かった。