卒業論文

2015年度卒業研究論文

マニュアルから分かった学ぶべき学習目標の体系化

大学生に防災を学んでもらうための防災マニュアルのあり方について

安岡笙子

大学生自身が災害時に迅速かつ的確な行動をとるための方法の1つである防災マニュアルを用いた教育・指導を、本研究では取り上げている。71件のマニュアルをもとに学習目標をカテゴリー分類し体系化を行った結果、右図のようになった。その中でも大カテゴリーの「事前の備え」「情報収集」の2つを大きく取り上げ、より良い防災マニュアルとなるための提案を行った。

さまざまな危機の因子分析

大学生の災害や犯罪に対する「リスク認知」について~「わがこと意識」を上げるための提案~

奥本彩加

本研究では、大学生を対象にアンケートを実施し、普段災害や犯罪などのさまざまな危機に対してどの程度関心を持っており、危機を意識して生活しているのかを調査した。結果、私たちの身の回りの危機は、原因を身近な犯罪、普段の生活、自然災害、学生生活、とした4つに大別できることなどが明らかになった。

応援と受援の関係

支援体制の充実につながる受援計画のあり方

玉田礼

東日本大震災で生じた問題を分析することで、受援計画に必要な項目や定義を明らかにし、受援計画のあり方を提案した。受援と応援の関係(右図)などについてデータ化し、受援と応援は表裏一体として考える必要があること、受援計画は市町村に必要であることを明らかにした。そして「人的・物的・情報・拠点」の視点の相互関係を踏まえ、不十分な部分を付け加え、より良い受援計画になるとした。

学習目標の達成度

「災害をイメージする力」を育む防災教育プログラムの開発~課題・対策列挙法で適切な災害対応を学ぶ~

向江竜生

本研究では、災害時に命を守るため適切な対策、および対応を行うために必要となる「災害をイメージする力」を育むことを目標とした、防災教育プログラムを開発した。大学生を対象にプログラムを行い、授業アンケートにより学習目標の達成度について比較した結果、図のように、6項目すべてにおいて、プログラム前と比べて実施直後、2週間後の方が点数が向上していた。

認知・判断・行動の遷移図

土砂災害から命を守るための事前対応要因の抽出と適切な行動プロセスの提案

高崎遥香

土砂災害から命を守るために、最適な行動プロセスを事例から明らかにした。「認知・判断・行動」の三段階の行動を抽出したデータセットを作成し、その変遷図から「前兆現象を認知し」「土砂災害の危険性と結びつけて避難の必要があると判断して」「発災前に避難をしたり身近な人に危険を知らせる」行動が適切な行動プロセスであると提案した。

自治体別津波避難要素充足度

津波避難を住民が効果的に行えるような津波ハザードマップの提案

田村遼

津波から適切に避難するための対策の一つである津波ハザードマップに着目し、津波避難要素充足度等4つのデータセットを作成し分析を行った。それにより、津波ハザードマップの形式は本・冊子状がより多くの津波避難要素を満たすこと、掲載情報の現状、住民の津波避難要素はどのような要素が存在するのか、掲載すべき住民が適切な避難行動を想定することができる要素は、9つの避難行動に分類できることを明らかにした。