孤立とソーシャル・キャピタルが地域防災に与える影響力 ~SWOT分析を用いた離島と本土の比較~
今井菜月
離島は災害時において、孤立する可能性があるという弱みを持っている一方で、ソーシャル・キャピタル(*1)の豊かさが強みにつながる可能性があると考えられる。そこで離島の住民が普段どのような生活をし、また災害に対してどのような意識を持っているか、どのような取り組みをしているかを、島民のへの半構造化インタビュー調査を通して調べた。インタビュー結果にSWOT分析(*2)を行い、どのように防災に生かすことができるかを検討した。さらに、離島だけでなく、本土の防災にも生かすことができる教訓についても検討した。
その結果、離島において地域のソーシャル・キャピタルを高めることが孤立(弱み)に対しての備えとしての老々支援、自主防災組織の充実や防災意識の向上につながっているという、本土にも生かせる知見が得られた。
(*1)ソーシャル・キャピタル…信頼関係、規範、ネットワークといった人と人の関わりのこと
(*2)SWOT分析…調査対象の特性を、強み・弱みという調査対象そのものの力(内部要因)と機会・脅威という調査対象を取り巻く環境(外部要因)に分類する手法